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特殊な条件のなか見せた“自分らしさ” ロジャーバローズ渾身のV/丹下日出夫

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 3歳世代7071頭の頂を決める戦いは、12番人気ロジャーバローズが制し、単勝オッズ歴代2位を記録する波乱の結果に。とはいえ近親にジェンティルドンナがいるディープ産駒であれば、一世一代の大仕事をやってのけるポテンシャルがあってもなんら不思議ではありません。Cコース替わりで枠や展開を活かしつつ、後続に飲み込まれそうになりながらも懸命に粘り腰を発揮した伏兵は、浜中俊騎手の気迫溢れる騎乗とともに、ダービー史の記憶に刻み込まれたことでしょう。(※評価はS〜Eの6段階)


■ロジャーバローズ(牡・ディープインパクト×リトルブック)

26日(日):東京11R・日本ダービー(GI)/芝2400m/2分22秒6

 ダービーウィークは、Cコース替わり。先週のオークス週のBコースと違って、内か外か、有利不利の差が歴然だ。直線残り1F標識あたりから、インがもうひと伸びふた伸びし、外の差し馬たちがもがくように掲示板近辺で困惑している。

 晴天・良馬場で、こんなにコースの差があるダービーは初めてかもしれない。

 しかし、土曜日を終え、日曜日の芝のレース数もいくつか消化。騎手だって普通にコースの有利不利は考えているハズだ。

 ダービーは、リオンリオンが使命感に燃えて元気よく、前半1000mを57秒8で飛ばす。離れた1秒くらいの差の二番手をロジャーバローズがポツリと追走。間隔をみると、ロジャーの1000m通過は59秒くらいだろうか。3番手以降は、また1秒近くの差がある。

 逃げている馬はHペース、二番手は平均、三番手はスロー。三つの流れを同時に走る、難しいダービーになった。

 人気3頭は、まずダノンキングリーが好位、ヴェロックスは後方、出遅れたサートゥルナーリアは、ヴェロックスを意識する形で、向こう正面から外へと持ち出す。三者とも、お互いの気配は背中でもわかる。

 だがレースは縦長。直線入り口で、まずはダノン、外からサートゥル、併せるようにしてヴェロックス。3頭の距離が一気に縮まり、ロジャーバローズものみ込むかに見えたが、12秒0-11秒9-12秒0というレースラップ(3Fは35秒9)を、ロジャーは35秒1で、内ラチいっぱいに切れ込み粘る。

 残り1F、また二番手との差が開いた。もしかしたら、いやこれなら――粘りに粘って2分22秒6の時計でフィニッシュラインを通過。

 母リトルブックは、ドナブリーニの妹(近親にジェンティルドンナ)。父にディープインパクトを配すれば、大仕事はできるのだろう。

 しかし、スプリングSに東上した際は、あまりにイレ込みがキツい。京都新聞杯(2着)は、ホームの関西ということもあり、テンション云々は気にならなかったけれど、いや。東京にくるとどうだろう。勝手にイメージを膨らませてしまったが、あれ? 普通にパドックで、むしろゆっくりめくらいに歩けている。

 好スタートは切った。自分らしいポジションにもおさまった。全力を尽くす、ファイトする、ひたすらに追う。白い帽子の白生地に緑の一本線の服飾が、そうして人々のダービー史の記憶に刻み込まれた。

 ダノンキングリーは、後ろの二頭の追い出しを待っていたのかなぁ。上がり34秒5の脚を使い、届きそうになりながらも、最後は力尽き、よれて脚を失った。

 もっとも速い上がり34秒1をマークしたサートゥルナーリアは、一旦3着に上がったかに見えたが、ヴェロックスに差し返され4着に失速。出遅れもあるだろうが、最後にロードカナロアの血、距離の壁が顔をのぞかせたのかもしれないなぁ…。【評価A/適性2200m】


■ラクローチェ(牡・ハービンジャー×ウインデンファーレ)

25日(土):東京6R・500万/芝2400m/2分25秒5

 4角先頭策から、上がり3Fを11秒9-11秒6-12秒2。最後は手綱を抑える余裕で、後続には3馬身半。時計のでにくい内回りコースだけに2分0秒6というタイムも、なかなか良質だ。

 ならばと次走、返す刀で京都2000m連勝を狙ったが、道中急に走る気を失う。新馬戦のレースコメントでは、「実直さがウリ」と書いたのに(笑)、7着大敗は何故だろう?

 敗因を特定できず、馬券の推奨馬に挙げることができなかったが、スローの上がり勝負とはいえ、11秒3-11秒1-11秒6(3Fは34秒0)というレースラップを33秒8で寄り切り。

 キャリア3戦で2勝。前回とは大幅に条件の異なる、左回りの東京2400mを押し切る芸当は、そう簡単にはできないもんです。【評価C/適性・芝2400m】


■ブーザー(牡・マンハッタンカフェ×マンドゥラ)

26日(日):東京6R・500万/芝1400m/1分20秒7

 東京・芝1400mの新馬を、上がり33秒8で直線串刺しにした決め手の持ち主。中山マイルはトップギアに入るまでのロスがたたり、3・2着に終わったが、東京ならエンジン全開だろう。

 だが、Cコースは内の馬が止まらない。さて、この追い込み馬をレーンはどうやって料理するのか。できれば勝って、芝の感触を確かめておきたいだろうなと思っていたら、ポンと先手を主張。そうかその手があったのか。

 さすがのレーンも、ダービーデイは少し心身ともに硬く、手一杯の逃げになってしまったが、1分20秒7なら、古馬混合の1000万でも即通用。【評価D/適性1200〜1400m】


■レッドアネモス(牝・ヴィクトワールピサ×マチカネハヤテ)

26日(日):京都11R・白百合S(L)/芝1800m/1分47秒6

 新潟の芝マイルの新馬戦、中山のサフラン賞を連勝。阪神JFへと駒を進めたが、ゴール前でふらふらっとして遊ぶ。470キロ台と肉体は恵まれているのに、なんだかもったいない。

 ただ、性格は変に尖っているワケではなく、遊びが本気に向かえば、ワンランク上の、それも2000mくらいまでこなせる肉体派。

 白百合Sは、気分よく好位。1000m通過は61秒8のスロー、ラスト3Fのレースラップは11秒6-10秒7-11秒5。本気になれば10秒台の速い脚も出せる。走破タイムは1分47秒6と、やや平凡だったが、上がりは一級品。秋華賞路線の本流にのった。【評価C/適性・芝2000m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年5月27日(月)

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 3歳世代7071頭の頂を決める戦いは、12番人気ロジャーバローズが制し、単勝オッズ歴代2位を記録する波乱の結果に。とはいえ近親にジェンティルドンナがいるディープ産駒であれば、一世一代の大仕事をやってのけるポテンシャルがあってもなんら不思議ではありません。Cコース替わりで枠や展開を活かしつつ、後続に飲み込まれそうになりながらも懸命に粘り腰を発揮した伏兵は、浜中俊騎手の気迫溢れる騎乗とともに、ダービー史の記憶に刻み込まれたことでしょう。(※評価はS〜Eの6段階)


■ロジャーバローズ(牡・ディープインパクト×リトルブック)

26日(日):東京11R・日本ダービー(GI)/芝2400m/2分22秒6

 ダービーウィークは、Cコース替わり。先週のオークス週のBコースと違って、内か外か、有利不利の差が歴然だ。直線残り1F標識あたりから、インがもうひと伸びふた伸びし、外の差し馬たちがもがくように掲示板近辺で困惑している。

 晴天・良馬場で、こんなにコースの差があるダービーは初めてかもしれない。

 しかし、土曜日を終え、日曜日の芝のレース数もいくつか消化。騎手だって普通にコースの有利不利は考えているハズだ。

 ダービーは、リオンリオンが使命感に燃えて元気よく、前半1000mを57秒8で飛ばす。離れた1秒くらいの差の二番手をロジャーバローズがポツリと追走。間隔をみると、ロジャーの1000m通過は59秒くらいだろうか。3番手以降は、また1秒近くの差がある。

 逃げている馬はHペース、二番手は平均、三番手はスロー。三つの流れを同時に走る、難しいダービーになった。

 人気3頭は、まずダノンキングリーが好位、ヴェロックスは後方、出遅れたサートゥルナーリアは、ヴェロックスを意識する形で、向こう正面から外へと持ち出す。三者とも、お互いの気配は背中でもわかる。

 だがレースは縦長。直線入り口で、まずはダノン、外からサートゥル、併せるようにしてヴェロックス。3頭の距離が一気に縮まり、ロジャーバローズものみ込むかに見えたが、12秒0-11秒9-12秒0というレースラップ(3Fは35秒9)を、ロジャーは35秒1で、内ラチいっぱいに切れ込み粘る。

 残り1F、また二番手との差が開いた。もしかしたら、いやこれなら――粘りに粘って2分22秒6の時計でフィニッシュラインを通過。

 母リトルブックは、ドナブリーニの妹(近親にジェンティルドンナ)。父にディープインパクトを配すれば、大仕事はできるのだろう。

 しかし、スプリングSに東上した際は、あまりにイレ込みがキツい。京都新聞杯(2着)は、ホームの関西ということもあり、テンション云々は気にならなかったけれど、いや。東京にくるとどうだろう。勝手にイメージを膨らませてしまったが、あれ? 普通にパドックで、むしろゆっくりめくらいに歩けている。

 好スタートは切った。自分らしいポジションにもおさまった。全力を尽くす、ファイトする、ひたすらに追う。白い帽子の白生地に緑の一本線の服飾が、そうして人々のダービー史の記憶に刻み込まれた。

 ダノンキングリーは、後ろの二頭の追い出しを待っていたのかなぁ。上がり34秒5の脚を使い、届きそうになりながらも、最後は力尽き、よれて脚を失った。

 もっとも速い上がり34秒1をマークしたサートゥルナーリアは、一旦3着に上がったかに見えたが、ヴェロックスに差し返され4着に失速。出遅れもあるだろうが、最後にロードカナロアの血、距離の壁が顔をのぞかせたのかもしれないなぁ…。【評価A/適性2200m】


■ラクローチェ(牡・ハービンジャー×ウインデンファーレ)

25日(土):東京6R・500万/芝2400m/2分25秒5

 4角先頭策から、上がり3Fを11秒9-11秒6-12秒2。最後は手綱を抑える余裕で、後続には3馬身半。時計のでにくい内回りコースだけに2分0秒6というタイムも、なかなか良質だ。

 ならばと次走、返す刀で京都2000m連勝を狙ったが、道中急に走る気を失う。新馬戦のレースコメントでは、「実直さがウリ」と書いたのに(笑)、7着大敗は何故だろう?

 敗因を特定できず、馬券の推奨馬に挙げることができなかったが、スローの上がり勝負とはいえ、11秒3-11秒1-11秒6(3Fは34秒0)というレースラップを33秒8で寄り切り。

 キャリア3戦で2勝。前回とは大幅に条件の異なる、左回りの東京2400mを押し切る芸当は、そう簡単にはできないもんです。【評価C/適性・芝2400m】


■ブーザー(牡・マンハッタンカフェ×マンドゥラ)

26日(日):東京6R・500万/芝1400m/1分20秒7

 東京・芝1400mの新馬を、上がり33秒8で直線串刺しにした決め手の持ち主。中山マイルはトップギアに入るまでのロスがたたり、3・2着に終わったが、東京ならエンジン全開だろう。

 だが、Cコースは内の馬が止まらない。さて、この追い込み馬をレーンはどうやって料理するのか。できれば勝って、芝の感触を確かめておきたいだろうなと思っていたら、ポンと先手を主張。そうかその手があったのか。

 さすがのレーンも、ダービーデイは少し心身ともに硬く、手一杯の逃げになってしまったが、1分20秒7なら、古馬混合の1000万でも即通用。【評価D/適性1200〜1400m】


■レッドアネモス(牝・ヴィクトワールピサ×マチカネハヤテ)

26日(日):京都11R・白百合S(L)/芝1800m/1分47秒6

 新潟の芝マイルの新馬戦、中山のサフラン賞を連勝。阪神JFへと駒を進めたが、ゴール前でふらふらっとして遊ぶ。470キロ台と肉体は恵まれているのに、なんだかもったいない。

 ただ、性格は変に尖っているワケではなく、遊びが本気に向かえば、ワンランク上の、それも2000mくらいまでこなせる肉体派。

 白百合Sは、気分よく好位。1000m通過は61秒8のスロー、ラスト3Fのレースラップは11秒6-10秒7-11秒5。本気になれば10秒台の速い脚も出せる。走破タイムは1分47秒6と、やや平凡だったが、上がりは一級品。秋華賞路線の本流にのった。【評価C/適性・芝2000m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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