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混沌のダート界で目を惹く外国産馬現る!/丹下日出夫

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は大差勝ちでコースレコードを叩き出した未勝利戦に始まり、パドックから大物の気配を漂わせていたダート界の新星や今後の2歳重賞有力候補へ名乗りを挙げた若駒など、今回も内容ぎっしりと8レースを回顧していきます!(※評価はS〜Eの6段階)


ゴルコンダ(牡・ヴィクトワールピサ×ゴレラ)

■27日(土):札幌1R・未勝利/芝1800m/1分48秒3(レコード)

 母は仏7勝(重賞4勝)。兄姉たちをずっと見てきたが、小さかったり、大きすぎたり、「コレは」という造りの仔がなかなか出てこない。

 6月9日の東京・新馬戦の体重は534キロ。「ちょっと立派すぎますね」と、パドックでクラブ会員さんと苦笑い(直線伸びてはきたが3着)。

 今日はマイナス16キロ、シルエットや歩様の勢いが見るからに違う。

 スタートを決め、迷わず先手。1000m通過は59秒6――これは速い、しかしリズムはいい。直線入り口手前、テレビカメラのパーンとあわせるかのように馬体を大きく映し出す。ラスト3Fは12秒4-11秒7-12秒4(36秒5)。馬なりで後続を大差に振り切り、従来の記録を0秒1更新する、1分48秒3のコースレコードでまとめた。

 ヴィクトワールピサ産駒だけに、瞬発力勝負のディープ産駒たちとは働きどころが少し異なる。東京や京都の高速馬場で、思わぬ取りこぼしもあるかもしれないけれど、重賞の1つ2つを手土産に、春はクラシック。【評価A/適性・芝1800m】


セラン(牝・Uncle Mo×Tiz Miz Sue)

■28日(日):札幌6R・新馬/ダート1700m/1分48秒7

 本コラムの趣旨は、「未来のクラシックを探せ」。というワケで、ダート路線に触れるケースはあまりないのですが、柔軟な筋肉と毛艶は出色。パドックで、思わず、ほうとため息をついてしまった。

 モタれ気味の走りを矯正しながらとはいえ、13秒0-12秒5-12秒7という快ラップで悠々ゴールイン(芝なら11秒前半のラップに匹敵)。いや、これは強い。

 今年のダートシーンは、柱となるゴールドアリュール産駒に、ピンとくる馬があまりいない。マル外にもチャンスがあるのではと思っていたが、混沌を断ち切る星が2歳夏の札幌で現れた。【評価A/適性・ダート1600〜1800m】


カイルアコナ(牝・キンシャサノキセキ×コナブリュワーズ)

■27日(土):小倉6R・新馬/芝1200m/1分9秒1

 祖母アンブロワーズは函館2歳S優勝(阪神JF2着)。母は芝1200〜1400mで4勝。父はキンシャサノキセキ、順調に事が運べば、目指す道は2歳夏の小倉か――函館の2歳Sかなというイメージは描いていた?

 430キロとサイズはコンパクト。上がり重点ながら、坂路・CWの上がりは常に俊敏。前半3F・34秒0というミドルペースを、外からかぶせるようにして2番手。

 直線を向いても脚色は優勢、ブワッと一段完歩を大きく膨らませ、みるみる間にゴール板に接近。決勝点通過後、有り余って外にヨレたのはご愛敬(笑)。後続には4馬身差の圧勝――いや、1分9秒1も速い。新馬戦一発で、小倉2歳Sの有力候補に名乗りをあげた。【評価B/適性・芝1200m】


エイリアス(牡・ロードカナロア×コードネーム)

■27日(土):札幌5R・新馬/芝1500m/1分31秒1

 牧場である程度仕上がっていたのだろう、時計を出し始めたのは7月10日。浅見厩舎だけに、上がり重点で数字は地味だが、筋肉質な466キロのロードカナロア産駒。母は3勝、母の弟はハットトリック(マイルCSなど)。札幌・芝1500mの舞台は配合とぴったりだ。

 緩ペースの道中、内のポケットで我慢。上がり11秒7-11秒5-12秒0(3Fは35秒2)というレースラップを、直線狭いインをこじ開け追い比べを制す。1分31秒1は若干地味ながら、勝負根性はなかなか。使って競馬を覚える中堅マイラーに育つ。【評価D/適性・芝1400m】


スマイルカナ(牝・ディープインパクト×エーシンクールディ)

■27日(土):新潟5R・新馬/芝1600m/1分35秒3

 最終追い切りは芝、上がり1F追い出しを開始すると、ビュンと反応した。いざ実戦、ポンと先手。1000m通過は60秒3のスロー。数字的には逃げ切りもあるが、さてスタミナはどうか。

 しかし、馬任せのリズムで、鞍上の手綱は残り1F標識まで動かず。手一杯になりながらも、11秒6-11秒3-12秒1で、ゴール板では差し返すようにして1着入線。できれば10秒台のラップがひとつ欲しかったが、さすがディープの娘。スピード豊かな、意外な頑張り屋ですね。

 ただ、サイズは414キロ。支えてあげたくなるほど細いな。輸送などある中央場所は、距離も含め、どこかで体力が尽きる時が来るかもしれないけれど、滞在、現地競馬なら、6〜7Fで生涯4勝くらいはいける、芦毛のかわいこちゃん。【評価D/適性・芝1400m】


アメージングサン(牡・ロードカナロア×アメージングムーン)

■28日(日):札幌1R・未勝利/芝1200m/1分9秒1(レコード)

 デビュー戦の函館1200mは1分10秒6、クビ差2着。次走の勝ち上がりはだいたい見えていたが、前半3F・33秒9で飛ばし、終わってみれば、母の持つコースレコードを0秒4更新、1分9秒1のレコード。

 母はファンタジーS3着、母の兄はスプリンターズS、高松宮記念を制した最優秀短距離馬ローレルゲレイロ。

 カナロアを配合し、理想通りの快速スプリンターが誕生。競馬は、血統は、思いの結晶であることを確認させてくれた。【評価B/適性・芝1000〜1200m】


レザネフォール(牡・キングカメハメハ×ラナンキュラス)

■28日(日):札幌5R・新馬/芝1800m/1分53秒3

 母は2勝(フィリーズレビュー2着)、祖母は名牝ファレノプシス(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)。夏の黒鹿毛馬は、光が反射。なべて輝きはいいものだが、それを加味しても、血統馬の肌艶は独特だなぁ。

 444キロながら、薄皮一枚造りに余裕がある。四肢はやや短め、ただしフットワークは正確。1000m通過・64秒6という超スローを、速め外側から脚をつかって追い上げ、12秒3-11秒7-11秒7(3Fは35秒7)というレースラップを35秒5で二枚腰で押し切る。

 二着馬が迫ってきても、抜かれる感じはなく、土曜日のレコードとは5秒近いタイム差があるものの、11秒台の加速ラップはしっかりとマーク。

 昇級でも、血統馬ならではの大幅な時計短縮、ジャンピングアップがあるかもしれない。【評価C/適性・芝2000m】


ドナキアーロ(牡・ディープブリランテ×アンソニカ)

■28日(日):新潟5R・新馬/芝1800m/1分48秒2

 母は未勝利、母の兄スーニは交流短距離重賞を総なめにしたダートスプリンター。兄姉は1勝級と地味。ただセレクトで、ディープブリランテの仔を買うなら、真面目そうで隙の少ないこの馬がいいね。

 なんて話したのを思い出したが、乗り込みは入念、仕上がり度はメンバー中随一。1000m通過は60秒8。マイル通過は1分36秒1、上がり3Fのレースラップは11秒4-11秒3-12秒1。一歩ゝ実直にインから脚を伸ばしてきた。

 外回りコースの上がり勝負は、どこかひとつ10秒台のラップが欲しいが、日曜日の新潟は、アイビスSDの決着タイムが示すように(55秒1)、なぜか上がり1〜2Fの時計がかかった。

 ディープブリランテ産駒だけに、少しパワーを要する平均的なラップがよかったともいえ、高速決着に課題は残るものの、1分48秒2という時計は、総合的な能力として、馬券などで答えを出してくれると思う。【評価D/適性・芝1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年7月29日(月)

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は大差勝ちでコースレコードを叩き出した未勝利戦に始まり、パドックから大物の気配を漂わせていたダート界の新星や今後の2歳重賞有力候補へ名乗りを挙げた若駒など、今回も内容ぎっしりと8レースを回顧していきます!(※評価はS〜Eの6段階)


ゴルコンダ(牡・ヴィクトワールピサ×ゴレラ)

■27日(土):札幌1R・未勝利/芝1800m/1分48秒3(レコード)

 母は仏7勝(重賞4勝)。兄姉たちをずっと見てきたが、小さかったり、大きすぎたり、「コレは」という造りの仔がなかなか出てこない。

 6月9日の東京・新馬戦の体重は534キロ。「ちょっと立派すぎますね」と、パドックでクラブ会員さんと苦笑い(直線伸びてはきたが3着)。

 今日はマイナス16キロ、シルエットや歩様の勢いが見るからに違う。

 スタートを決め、迷わず先手。1000m通過は59秒6――これは速い、しかしリズムはいい。直線入り口手前、テレビカメラのパーンとあわせるかのように馬体を大きく映し出す。ラスト3Fは12秒4-11秒7-12秒4(36秒5)。馬なりで後続を大差に振り切り、従来の記録を0秒1更新する、1分48秒3のコースレコードでまとめた。

 ヴィクトワールピサ産駒だけに、瞬発力勝負のディープ産駒たちとは働きどころが少し異なる。東京や京都の高速馬場で、思わぬ取りこぼしもあるかもしれないけれど、重賞の1つ2つを手土産に、春はクラシック。【評価A/適性・芝1800m】


セラン(牝・Uncle Mo×Tiz Miz Sue)

■28日(日):札幌6R・新馬/ダート1700m/1分48秒7

 本コラムの趣旨は、「未来のクラシックを探せ」。というワケで、ダート路線に触れるケースはあまりないのですが、柔軟な筋肉と毛艶は出色。パドックで、思わず、ほうとため息をついてしまった。

 モタれ気味の走りを矯正しながらとはいえ、13秒0-12秒5-12秒7という快ラップで悠々ゴールイン(芝なら11秒前半のラップに匹敵)。いや、これは強い。

 今年のダートシーンは、柱となるゴールドアリュール産駒に、ピンとくる馬があまりいない。マル外にもチャンスがあるのではと思っていたが、混沌を断ち切る星が2歳夏の札幌で現れた。【評価A/適性・ダート1600〜1800m】


カイルアコナ(牝・キンシャサノキセキ×コナブリュワーズ)

■27日(土):小倉6R・新馬/芝1200m/1分9秒1

 祖母アンブロワーズは函館2歳S優勝(阪神JF2着)。母は芝1200〜1400mで4勝。父はキンシャサノキセキ、順調に事が運べば、目指す道は2歳夏の小倉か――函館の2歳Sかなというイメージは描いていた?

 430キロとサイズはコンパクト。上がり重点ながら、坂路・CWの上がりは常に俊敏。前半3F・34秒0というミドルペースを、外からかぶせるようにして2番手。

 直線を向いても脚色は優勢、ブワッと一段完歩を大きく膨らませ、みるみる間にゴール板に接近。決勝点通過後、有り余って外にヨレたのはご愛敬(笑)。後続には4馬身差の圧勝――いや、1分9秒1も速い。新馬戦一発で、小倉2歳Sの有力候補に名乗りをあげた。【評価B/適性・芝1200m】


エイリアス(牡・ロードカナロア×コードネーム)

■27日(土):札幌5R・新馬/芝1500m/1分31秒1

 牧場である程度仕上がっていたのだろう、時計を出し始めたのは7月10日。浅見厩舎だけに、上がり重点で数字は地味だが、筋肉質な466キロのロードカナロア産駒。母は3勝、母の弟はハットトリック(マイルCSなど)。札幌・芝1500mの舞台は配合とぴったりだ。

 緩ペースの道中、内のポケットで我慢。上がり11秒7-11秒5-12秒0(3Fは35秒2)というレースラップを、直線狭いインをこじ開け追い比べを制す。1分31秒1は若干地味ながら、勝負根性はなかなか。使って競馬を覚える中堅マイラーに育つ。【評価D/適性・芝1400m】


スマイルカナ(牝・ディープインパクト×エーシンクールディ)

■27日(土):新潟5R・新馬/芝1600m/1分35秒3

 最終追い切りは芝、上がり1F追い出しを開始すると、ビュンと反応した。いざ実戦、ポンと先手。1000m通過は60秒3のスロー。数字的には逃げ切りもあるが、さてスタミナはどうか。

 しかし、馬任せのリズムで、鞍上の手綱は残り1F標識まで動かず。手一杯になりながらも、11秒6-11秒3-12秒1で、ゴール板では差し返すようにして1着入線。できれば10秒台のラップがひとつ欲しかったが、さすがディープの娘。スピード豊かな、意外な頑張り屋ですね。

 ただ、サイズは414キロ。支えてあげたくなるほど細いな。輸送などある中央場所は、距離も含め、どこかで体力が尽きる時が来るかもしれないけれど、滞在、現地競馬なら、6〜7Fで生涯4勝くらいはいける、芦毛のかわいこちゃん。【評価D/適性・芝1400m】


アメージングサン(牡・ロードカナロア×アメージングムーン)

■28日(日):札幌1R・未勝利/芝1200m/1分9秒1(レコード)

 デビュー戦の函館1200mは1分10秒6、クビ差2着。次走の勝ち上がりはだいたい見えていたが、前半3F・33秒9で飛ばし、終わってみれば、母の持つコースレコードを0秒4更新、1分9秒1のレコード。

 母はファンタジーS3着、母の兄はスプリンターズS、高松宮記念を制した最優秀短距離馬ローレルゲレイロ。

 カナロアを配合し、理想通りの快速スプリンターが誕生。競馬は、血統は、思いの結晶であることを確認させてくれた。【評価B/適性・芝1000〜1200m】


レザネフォール(牡・キングカメハメハ×ラナンキュラス)

■28日(日):札幌5R・新馬/芝1800m/1分53秒3

 母は2勝(フィリーズレビュー2着)、祖母は名牝ファレノプシス(桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯)。夏の黒鹿毛馬は、光が反射。なべて輝きはいいものだが、それを加味しても、血統馬の肌艶は独特だなぁ。

 444キロながら、薄皮一枚造りに余裕がある。四肢はやや短め、ただしフットワークは正確。1000m通過・64秒6という超スローを、速め外側から脚をつかって追い上げ、12秒3-11秒7-11秒7(3Fは35秒7)というレースラップを35秒5で二枚腰で押し切る。

 二着馬が迫ってきても、抜かれる感じはなく、土曜日のレコードとは5秒近いタイム差があるものの、11秒台の加速ラップはしっかりとマーク。

 昇級でも、血統馬ならではの大幅な時計短縮、ジャンピングアップがあるかもしれない。【評価C/適性・芝2000m】


ドナキアーロ(牡・ディープブリランテ×アンソニカ)

■28日(日):新潟5R・新馬/芝1800m/1分48秒2

 母は未勝利、母の兄スーニは交流短距離重賞を総なめにしたダートスプリンター。兄姉は1勝級と地味。ただセレクトで、ディープブリランテの仔を買うなら、真面目そうで隙の少ないこの馬がいいね。

 なんて話したのを思い出したが、乗り込みは入念、仕上がり度はメンバー中随一。1000m通過は60秒8。マイル通過は1分36秒1、上がり3Fのレースラップは11秒4-11秒3-12秒1。一歩ゝ実直にインから脚を伸ばしてきた。

 外回りコースの上がり勝負は、どこかひとつ10秒台のラップが欲しいが、日曜日の新潟は、アイビスSDの決着タイムが示すように(55秒1)、なぜか上がり1〜2Fの時計がかかった。

 ディープブリランテ産駒だけに、少しパワーを要する平均的なラップがよかったともいえ、高速決着に課題は残るものの、1分48秒2という時計は、総合的な能力として、馬券などで答えを出してくれると思う。【評価D/適性・芝1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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