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火の玉マーズ来襲 皐月の苦い思いが得意舞台で昇華/丹下日出夫

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 3歳マイル王を決める一戦は、よどみない流れで淡々と進むなか、アドマイヤマーズがしぶとく脚を伸ばしてGI・2勝目。皐月賞で強敵相手に苦い思いをした鬱憤を得意の距離で晴らしました。これでマイル戦は5戦負けなしとなれば、当然今後はマイル路線が順当ですが、丹下は平坦なら2000mまで、そして国内に留まらずドバイや香港の芝も向いてそうと今後の展望にひそかに期待を寄せています。(※評価はS〜Eの6段階)


■アドマイヤマーズ(牡・ダイワメジャー×ヴィアメディチ)

5日(日):東京11R・NHKマイルC(GI)/芝1600m/1分32秒4

 前走の皐月賞は、前半1000m通過・59秒1のミドルというタフな流れの上に立ち、ラスト3Fのレースラップは11秒7-11秒6-11秒4。2000mを走ってなお、瞬発力を要する加速ラップに4着と伸びきれずに終わった。

 マイル戦だったら、このくらいの上がりラップは、マーズは平気で叩き出せる。実際に朝日杯FSも、1800mの共同通信杯も、皐月より上がりラップは速い。

 しかし、1600mもしくは1800mまでならその脚が使えても、距離2000mのGIとなると壁がうまれ、マイラーは脚が止まる。皐月を思い出すと苦い味がしたことだろう。

 しかし、皐月から約1カ月。体はプラス2キロ、モチベーションと闘志は衰えず。さらに精度の高い仕上げにもってきた。

 今日の枠は17番、1000m通過は57秒8のミドル。よどみない流れを、ブレーキもアクセルも踏むことなく、4角手前までは中団。残り3F標識から一気に11秒3-11秒3とペースアップ。しかし、意外に前半の流れはキツい。好位馬群がごったがえす中、接触したりするシーンなどあり、最後の200m・12秒0というレースラップを、他のみんなも打ち破れない。

 だが、アドマイヤマーズにとっては、10秒台を必要としない、この平均ラップこそが、終い1F・12秒0を要する流れがベストだった。

 これから歩む道は、当然マイル路線が第一だろう。でも、1800mなら中山記念くらいはいけるかな? 2000mも平坦・洋芝の札幌記念ならへっちゃらか。天皇賞(秋)だけは厳しいような気もするが、内回りの大阪杯は超速ラップは必要としない。香港の芝やドバイも向いているかもしれない。

 断然人気のグランアレグリアは、出負けもした。少し折り合いも欠いた。しかし、3コーナー入口、ポジションはとった。そこから何故か慎重、外から被される形になってしまった。ルメールにも迷いがあったか。どこからでも抜け出せるという自信が裏目にでたのかなぁ…。

 ただ、パドックでみていて、目に力はあったが、何かしら皮膚の光沢が足りないような。間隔を詰めて走れる体力が、まだ不足していたのかもしれない。【評価B/適性・芝1600〜1800m】


■レッドジェニアル(牡・キングカメハメハ×レッドアゲート)

4日(土):京都11R・京都新聞杯(GII)/芝2200m/2分11秒9

 母はフローラS優勝、フラワーC2着、牡馬相手の日経新春杯3着など、2勝馬ながら実直に中距離重賞戦線で競馬経歴を重ねていった。

 息子も母に似て、成長曲線はゆったり。勝ち上がりに3戦を要したが、昇級のアザレア賞(阪神2400m)を、ジワジワと0秒3差に詰めてきた。

 3戦続けて手綱を握った酒井Jも、あの感触ならもう少し積極的に動いてもいける――1000m通過・1分0秒0-2000m通過・1分59秒8という、よどみのない流れを好位外で構え、11秒7-11秒5-12秒1(3Fは35.3)というレースの上がりを、34秒7でもうひと伸び。

 体重に大きな変動こそなかったが、肌艶が増し、時計も2分11秒9。ダービーでも、掲示板前後は十分あり得る。【評価B/適性・芝2400m】


■スイープセレリタス(牝・ハーツクライ×スイープトウショウ)

5日(日):東京5R・500万/芝1400m/1分20秒5

 母は秋華賞、エリザベス女王杯を勝ち、宝塚記念で牡馬をなで斬りした女傑。異常に悍姓の強い母に似たか。産駒にはレースにたどり着く前にすでに燃焼してしまう仔など多かったが、勝ち上がりは2戦目、東京マイル・1分33秒8というタイムは、さすが良血馬。

 しかし、腰のバランスが悪い。使い込むと腰を痛める、現状は左回り専用馬でもあり、ローテーションも慎重。いざレースも、変に動かして余計な負担をかけるよりは、直線を向き身体を直線と正対させ、グイグイと加速ラップで大外一気。

 腰に力がついてくれば、古馬となれば関屋記念、中京記念……ガツンと腰がハマれば、お母さん同様の道を歩けるかもしれない。【評価C/適性・芝1400m】


■メイケイハリアー(牡・ゴールドアリュール×ヒカルカリーナ)

5日(日):京都5R・未勝利/芝1800m/1分46秒9

 2歳暮れ、12月の中京・芝2000mデビュー、結果は4着。次走の京都2000mは10着に大敗。

 父はゴールドアリュールだしね。次はダートに転向、落としどころは砂だろうと番組を切りかえたが、1800ダートでも12・5着と結果が出ない。最初の頃の芝のほうが、むしろ競馬になっていたし、今回もう一度芝にもどしてみるかと、半信半疑の感じもあったでしょうね。

 しかし、終わってみれば、好位から万全の寄り切り。1分46秒9というタイムは、近いうちに2勝目だって見える。

 ゴールドアリュール産駒なのに、はて、なんで芝を走れるのだろう?。ふと血統表を広げてみると、全姉にはフーラブライドの名前が。姉は競走生活後半になりダートから芝に転向し、愛知杯、中山牝馬Sで一気差しを決めた、不思議なゴールドアリュール産駒の切れ者牝馬だった。【評価C/適性・芝1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年5月6日(月)

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 3歳マイル王を決める一戦は、よどみない流れで淡々と進むなか、アドマイヤマーズがしぶとく脚を伸ばしてGI・2勝目。皐月賞で強敵相手に苦い思いをした鬱憤を得意の距離で晴らしました。これでマイル戦は5戦負けなしとなれば、当然今後はマイル路線が順当ですが、丹下は平坦なら2000mまで、そして国内に留まらずドバイや香港の芝も向いてそうと今後の展望にひそかに期待を寄せています。(※評価はS〜Eの6段階)


■アドマイヤマーズ(牡・ダイワメジャー×ヴィアメディチ)

5日(日):東京11R・NHKマイルC(GI)/芝1600m/1分32秒4

 前走の皐月賞は、前半1000m通過・59秒1のミドルというタフな流れの上に立ち、ラスト3Fのレースラップは11秒7-11秒6-11秒4。2000mを走ってなお、瞬発力を要する加速ラップに4着と伸びきれずに終わった。

 マイル戦だったら、このくらいの上がりラップは、マーズは平気で叩き出せる。実際に朝日杯FSも、1800mの共同通信杯も、皐月より上がりラップは速い。

 しかし、1600mもしくは1800mまでならその脚が使えても、距離2000mのGIとなると壁がうまれ、マイラーは脚が止まる。皐月を思い出すと苦い味がしたことだろう。

 しかし、皐月から約1カ月。体はプラス2キロ、モチベーションと闘志は衰えず。さらに精度の高い仕上げにもってきた。

 今日の枠は17番、1000m通過は57秒8のミドル。よどみない流れを、ブレーキもアクセルも踏むことなく、4角手前までは中団。残り3F標識から一気に11秒3-11秒3とペースアップ。しかし、意外に前半の流れはキツい。好位馬群がごったがえす中、接触したりするシーンなどあり、最後の200m・12秒0というレースラップを、他のみんなも打ち破れない。

 だが、アドマイヤマーズにとっては、10秒台を必要としない、この平均ラップこそが、終い1F・12秒0を要する流れがベストだった。

 これから歩む道は、当然マイル路線が第一だろう。でも、1800mなら中山記念くらいはいけるかな? 2000mも平坦・洋芝の札幌記念ならへっちゃらか。天皇賞(秋)だけは厳しいような気もするが、内回りの大阪杯は超速ラップは必要としない。香港の芝やドバイも向いているかもしれない。

 断然人気のグランアレグリアは、出負けもした。少し折り合いも欠いた。しかし、3コーナー入口、ポジションはとった。そこから何故か慎重、外から被される形になってしまった。ルメールにも迷いがあったか。どこからでも抜け出せるという自信が裏目にでたのかなぁ…。

 ただ、パドックでみていて、目に力はあったが、何かしら皮膚の光沢が足りないような。間隔を詰めて走れる体力が、まだ不足していたのかもしれない。【評価B/適性・芝1600〜1800m】


■レッドジェニアル(牡・キングカメハメハ×レッドアゲート)

4日(土):京都11R・京都新聞杯(GII)/芝2200m/2分11秒9

 母はフローラS優勝、フラワーC2着、牡馬相手の日経新春杯3着など、2勝馬ながら実直に中距離重賞戦線で競馬経歴を重ねていった。

 息子も母に似て、成長曲線はゆったり。勝ち上がりに3戦を要したが、昇級のアザレア賞(阪神2400m)を、ジワジワと0秒3差に詰めてきた。

 3戦続けて手綱を握った酒井Jも、あの感触ならもう少し積極的に動いてもいける――1000m通過・1分0秒0-2000m通過・1分59秒8という、よどみのない流れを好位外で構え、11秒7-11秒5-12秒1(3Fは35.3)というレースの上がりを、34秒7でもうひと伸び。

 体重に大きな変動こそなかったが、肌艶が増し、時計も2分11秒9。ダービーでも、掲示板前後は十分あり得る。【評価B/適性・芝2400m】


■スイープセレリタス(牝・ハーツクライ×スイープトウショウ)

5日(日):東京5R・500万/芝1400m/1分20秒5

 母は秋華賞、エリザベス女王杯を勝ち、宝塚記念で牡馬をなで斬りした女傑。異常に悍姓の強い母に似たか。産駒にはレースにたどり着く前にすでに燃焼してしまう仔など多かったが、勝ち上がりは2戦目、東京マイル・1分33秒8というタイムは、さすが良血馬。

 しかし、腰のバランスが悪い。使い込むと腰を痛める、現状は左回り専用馬でもあり、ローテーションも慎重。いざレースも、変に動かして余計な負担をかけるよりは、直線を向き身体を直線と正対させ、グイグイと加速ラップで大外一気。

 腰に力がついてくれば、古馬となれば関屋記念、中京記念……ガツンと腰がハマれば、お母さん同様の道を歩けるかもしれない。【評価C/適性・芝1400m】


■メイケイハリアー(牡・ゴールドアリュール×ヒカルカリーナ)

5日(日):京都5R・未勝利/芝1800m/1分46秒9

 2歳暮れ、12月の中京・芝2000mデビュー、結果は4着。次走の京都2000mは10着に大敗。

 父はゴールドアリュールだしね。次はダートに転向、落としどころは砂だろうと番組を切りかえたが、1800ダートでも12・5着と結果が出ない。最初の頃の芝のほうが、むしろ競馬になっていたし、今回もう一度芝にもどしてみるかと、半信半疑の感じもあったでしょうね。

 しかし、終わってみれば、好位から万全の寄り切り。1分46秒9というタイムは、近いうちに2勝目だって見える。

 ゴールドアリュール産駒なのに、はて、なんで芝を走れるのだろう?。ふと血統表を広げてみると、全姉にはフーラブライドの名前が。姉は競走生活後半になりダートから芝に転向し、愛知杯、中山牝馬Sで一気差しを決めた、不思議なゴールドアリュール産駒の切れ者牝馬だった。【評価C/適性・芝1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)
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