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母は“チリのウオッカ”!? カレンブーケドールいざオークスへ/丹下日出夫

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! いよいよ今週から東京競馬場では5週連続のGI幕開けとなり、NHKマイルCやオークス、ダービーと若駒の頂点を決める戦いもすぐそこに。3日間開催となった今回は、青葉賞を逃げ切ったリオンリオン&究極の瞬発力勝負をものにしたカレンブーケドールと大舞台へ滑り込みでチャンスを掴んだ2頭をはじめ5頭をピックアップしてお届けします。(※評価はS〜Eの6段階)


リオンリオン(牡・ルーラーシップ×アゲヒバリ)

27日(土):東京11R・青葉賞(GII)/芝2400m/2分25秒0

 祖母はトゥザヴィクトリー、セレクトの落札価格は8400万。アゲヒバリの仔をこれまでに何頭も見てきたが、シルエットやバランスは産駒一番の馬だった。

 トゥザ血統は、総じて筋っぽい。使い込むと硬くなる。素直なところもあるぶん、目の前のレースを一生懸命走り、見た目は元気そうだが疲れをためてしまう。リフレッシュ期間など設け、疲労をとりさってあげることが共通項なのかもしれない。

 リオンも未勝利を勝ったころに一度ピークがきたが、11月から1月まで少し休ませたのが正解。だらんとした立ち姿も、大寒桜賞からシャッキリ。大寒桜賞は青葉賞とのリンク率が高く(過去10年2着3回、3着2回)、前走の逃げをそのまま青葉賞に推移。稍重という条件下で、1000m通過は59秒9-2000m通過・2分0秒3というミドルラップを踏み、後続の脚をなし崩しに封印。馬場差1秒を勘定すれば、2分25秒0というタイムも悪くない。

 ただ、次走のダービーで、2分23秒台の高速の逃げが打てるかどうかは考えどころ。横山典もレース後のインタビューで、「この馬のリズムで」という言葉で説明していたが、ラスト3Fは11秒6-11秒8-12秒9。

 本番のダービー、最後の1Fの研磨を、「もうちょっと良くなってほしいので、松永先生にお願いした」【評価C/適性・芝2400m】


■カレンブーケドール,/b>(牝・ディープインパクト×ソラリア)

28日(日):東京11R・スイートピーS(L)/芝1800m/1分47秒7

 日本の感覚で言えば、南半球の競馬レベルは、アルゼンチンはJRA、チリは南関東に例えればいいのか。アルゼンチン血脈は、30年以上も前から社台グループを中心に、静かに深く、種牡馬や繁殖牝馬等の導入がはかられ、今や日本の競馬シーンの一角を形成するに至っている。

 そのアルゼンチーナたちと比べると格式は落ちるものの、母は牡馬を相手にチリ・ダービーを制した、チリの年度代表馬(チリ2歳チャンピオンにも輝いた)、スーパースター。チリのウオッカと思えばわかりやすいか。

 紐解けば、デビュー戦の東京1600mの新馬戦の上がりは33秒0、アタマ差に食い下がった相手は皐月賞3着馬ダノンキングリーだった。

 まだ弱さも抱え、勝ち上がりに3戦を要したりしたものの、クイーンCの1分34秒4という数字は、1勝クラスでは抜けている。

 スイートピーSは、1000m通過は62秒4の緩ペース。上がり3Fのレースラップは11秒0-10秒9-11秒4(33秒3)。実測として10秒9というラップが登場する究極の瞬発力決着を、33秒1でネジ伏せた。サイズは464キロ(マイナス2キロ)、大幅な上積みはないが、オークスへの体力は残っている。

 ちなみに現2歳の全妹は藤岡厩舎を予定。聞けば、早期デビューも視界に入っているようです。【評価B/適性・芝2000m】


■グルファクシー(牡・ハービンジャー×レクレドール)

28日(日):東京5R・未勝利/芝2000m/2分1秒6

 母はローズS、クイーンS勝ち。祖母はゴールデンサッシュ、ステイゴールドの名が連なる良族。栗毛の肌合いや、うかうかっとした仕草など、遺伝力というのは確かにあるもんだなぁ。

 デビューは遅くなったが、今の未勝利では、ちょっと馬っぷりが違う。1000m通過・62秒6のスローも我慢。直線400mまで持ったまま、ラスト3F・11秒2-11秒4-11秒6(3Fは34秒2)というレースラップを、フラフラしながらでも33秒9でひと差し。

 日曜日は芝マイルの未勝利で1分33秒台など出る高速馬場、2分1秒6という時計は数字的には地味。年明けの今時分のデビュー馬は、いくつか踊り場など経験し、本格化まで一年くらいかかるが、血統と資質は確認できた。【評価C/適性・芝1800m】


■エクセランフィーユ,/b>(牝・Frankel×エクセレンスII)

29日(祝月):新潟5R・未勝利/芝1800m/1分48秒7

 経験馬相手のデビュー戦、東京マイルの上がりは33秒5だった。母は仏1000ギニー3着、仏オークス3着。まだ腰の入りが浅く、416キロという軽量。現地競馬の平坦新潟が現状ベストだろうと、予想原稿でも述べた。

 スタートはマズマズ、他馬より背が低く、馬群の中に入ると見失いそうになるが、1000m通過・62秒2のスローを中団前め。馬なりでカーブを回り、直線は内回りとの合流地点まで追い出しを我慢。11秒2-10秒9-11秒8(3Fは33秒9)というレースの上がりを33秒5でひと差し。新潟外回りなら大して珍しくもない上がりですが、10kg増のたび、勝ち星が増え、30キロ増なら重賞。【評価C/適性・芝1800m】


■グラディーヴァ(牝・ハービンジャー×カノーロ)

29日(祝月):京都9R・矢車賞(500万・牝)/芝2200m/2分22秒

 祖母はソニックグルーヴ、もうひとつさかのぼるとエアグルーヴの名前が登場。ダイナカール一族の幹は太く、枝葉も広く大きく繁っている。

 母カノーロは、2戦1勝で引退。本馬は二番仔、ハービンジャー産駒だが、つるりと丸くコンパクトでまとまりがいい。新馬戦は中団馬群でしっかりと脚をため、11秒3-11秒8-12秒0(3Fは35秒1)というレースラップを、34秒6でグイとひと差し。馬場は稍重、1分49秒9というタイムもなかなかだった。

 二戦目は中山へと遠征、マイナス10キロ・448キロに小さくなったぶん、0秒1差交わし切れなかった。

 長距離輸送の疲労などを考慮し、無理使いを避け、矢車賞まで3か月間隔をあけ、マイナス2キロながら、歩きはしゃっきりしている。

 無駄や隙の少ない我慢強い馬だな――M・デムーロもコントロールのよさを感じ取ったか。4コーナー手前で一気に先頭集団にとりつき、2着馬が迫るとまた回転速度が上がり、二枚腰を使ってゴールに一目散。なるほどハービンジャー、終わってみれば2200mをチョイスしたのは正解だった。

 体調と条件を探りつつ、どこかでもう1勝を積み上げ、秋は秋華賞など考えたい。【評価C/適性・2200m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年4月30日(火)

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! いよいよ今週から東京競馬場では5週連続のGI幕開けとなり、NHKマイルCやオークス、ダービーと若駒の頂点を決める戦いもすぐそこに。3日間開催となった今回は、青葉賞を逃げ切ったリオンリオン&究極の瞬発力勝負をものにしたカレンブーケドールと大舞台へ滑り込みでチャンスを掴んだ2頭をはじめ5頭をピックアップしてお届けします。(※評価はS〜Eの6段階)


リオンリオン(牡・ルーラーシップ×アゲヒバリ)

27日(土):東京11R・青葉賞(GII)/芝2400m/2分25秒0

 祖母はトゥザヴィクトリー、セレクトの落札価格は8400万。アゲヒバリの仔をこれまでに何頭も見てきたが、シルエットやバランスは産駒一番の馬だった。

 トゥザ血統は、総じて筋っぽい。使い込むと硬くなる。素直なところもあるぶん、目の前のレースを一生懸命走り、見た目は元気そうだが疲れをためてしまう。リフレッシュ期間など設け、疲労をとりさってあげることが共通項なのかもしれない。

 リオンも未勝利を勝ったころに一度ピークがきたが、11月から1月まで少し休ませたのが正解。だらんとした立ち姿も、大寒桜賞からシャッキリ。大寒桜賞は青葉賞とのリンク率が高く(過去10年2着3回、3着2回)、前走の逃げをそのまま青葉賞に推移。稍重という条件下で、1000m通過は59秒9-2000m通過・2分0秒3というミドルラップを踏み、後続の脚をなし崩しに封印。馬場差1秒を勘定すれば、2分25秒0というタイムも悪くない。

 ただ、次走のダービーで、2分23秒台の高速の逃げが打てるかどうかは考えどころ。横山典もレース後のインタビューで、「この馬のリズムで」という言葉で説明していたが、ラスト3Fは11秒6-11秒8-12秒9。

 本番のダービー、最後の1Fの研磨を、「もうちょっと良くなってほしいので、松永先生にお願いした」【評価C/適性・芝2400m】


■カレンブーケドール,/b>(牝・ディープインパクト×ソラリア)

28日(日):東京11R・スイートピーS(L)/芝1800m/1分47秒7

 日本の感覚で言えば、南半球の競馬レベルは、アルゼンチンはJRA、チリは南関東に例えればいいのか。アルゼンチン血脈は、30年以上も前から社台グループを中心に、静かに深く、種牡馬や繁殖牝馬等の導入がはかられ、今や日本の競馬シーンの一角を形成するに至っている。

 そのアルゼンチーナたちと比べると格式は落ちるものの、母は牡馬を相手にチリ・ダービーを制した、チリの年度代表馬(チリ2歳チャンピオンにも輝いた)、スーパースター。チリのウオッカと思えばわかりやすいか。

 紐解けば、デビュー戦の東京1600mの新馬戦の上がりは33秒0、アタマ差に食い下がった相手は皐月賞3着馬ダノンキングリーだった。

 まだ弱さも抱え、勝ち上がりに3戦を要したりしたものの、クイーンCの1分34秒4という数字は、1勝クラスでは抜けている。

 スイートピーSは、1000m通過は62秒4の緩ペース。上がり3Fのレースラップは11秒0-10秒9-11秒4(33秒3)。実測として10秒9というラップが登場する究極の瞬発力決着を、33秒1でネジ伏せた。サイズは464キロ(マイナス2キロ)、大幅な上積みはないが、オークスへの体力は残っている。

 ちなみに現2歳の全妹は藤岡厩舎を予定。聞けば、早期デビューも視界に入っているようです。【評価B/適性・芝2000m】


■グルファクシー(牡・ハービンジャー×レクレドール)

28日(日):東京5R・未勝利/芝2000m/2分1秒6

 母はローズS、クイーンS勝ち。祖母はゴールデンサッシュ、ステイゴールドの名が連なる良族。栗毛の肌合いや、うかうかっとした仕草など、遺伝力というのは確かにあるもんだなぁ。

 デビューは遅くなったが、今の未勝利では、ちょっと馬っぷりが違う。1000m通過・62秒6のスローも我慢。直線400mまで持ったまま、ラスト3F・11秒2-11秒4-11秒6(3Fは34秒2)というレースラップを、フラフラしながらでも33秒9でひと差し。

 日曜日は芝マイルの未勝利で1分33秒台など出る高速馬場、2分1秒6という時計は数字的には地味。年明けの今時分のデビュー馬は、いくつか踊り場など経験し、本格化まで一年くらいかかるが、血統と資質は確認できた。【評価C/適性・芝1800m】


■エクセランフィーユ,/b>(牝・Frankel×エクセレンスII)

29日(祝月):新潟5R・未勝利/芝1800m/1分48秒7

 経験馬相手のデビュー戦、東京マイルの上がりは33秒5だった。母は仏1000ギニー3着、仏オークス3着。まだ腰の入りが浅く、416キロという軽量。現地競馬の平坦新潟が現状ベストだろうと、予想原稿でも述べた。

 スタートはマズマズ、他馬より背が低く、馬群の中に入ると見失いそうになるが、1000m通過・62秒2のスローを中団前め。馬なりでカーブを回り、直線は内回りとの合流地点まで追い出しを我慢。11秒2-10秒9-11秒8(3Fは33秒9)というレースの上がりを33秒5でひと差し。新潟外回りなら大して珍しくもない上がりですが、10kg増のたび、勝ち星が増え、30キロ増なら重賞。【評価C/適性・芝1800m】


■グラディーヴァ(牝・ハービンジャー×カノーロ)

29日(祝月):京都9R・矢車賞(500万・牝)/芝2200m/2分22秒

 祖母はソニックグルーヴ、もうひとつさかのぼるとエアグルーヴの名前が登場。ダイナカール一族の幹は太く、枝葉も広く大きく繁っている。

 母カノーロは、2戦1勝で引退。本馬は二番仔、ハービンジャー産駒だが、つるりと丸くコンパクトでまとまりがいい。新馬戦は中団馬群でしっかりと脚をため、11秒3-11秒8-12秒0(3Fは35秒1)というレースラップを、34秒6でグイとひと差し。馬場は稍重、1分49秒9というタイムもなかなかだった。

 二戦目は中山へと遠征、マイナス10キロ・448キロに小さくなったぶん、0秒1差交わし切れなかった。

 長距離輸送の疲労などを考慮し、無理使いを避け、矢車賞まで3か月間隔をあけ、マイナス2キロながら、歩きはしゃっきりしている。

 無駄や隙の少ない我慢強い馬だな――M・デムーロもコントロールのよさを感じ取ったか。4コーナー手前で一気に先頭集団にとりつき、2着馬が迫るとまた回転速度が上がり、二枚腰を使ってゴールに一目散。なるほどハービンジャー、終わってみれば2200mをチョイスしたのは正解だった。

 体調と条件を探りつつ、どこかでもう1勝を積み上げ、秋は秋華賞など考えたい。【評価C/適性・2200m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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