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ディープ産駒にはない魅力、ステイゴールドの血脈恐るべし/丹下日出夫

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は夏競馬の締めくくりとともに行われた2歳重賞を中心に計7レースをプレイバック。なかでも札幌2歳Sは、以前当コラムでも取り上げたゴールドシップ産駒のブラックホールが優勝。ディープ産駒にはない“なにか”があると唸る丹下氏が、ステイゴールドから受け継がれた血脈の奥深さまで語ります!(※評価はS〜Eの6段階)

ブラックホール(牡・ゴールドシップ×ヴィーヴァブーケ)


■8月31日(土):札幌11R・札幌2歳S(GIII)/芝1800m/1分50秒4

 あけてびっくり。ステイゴールドの血脈、恐るべし。

 祖母はブルーリッジリバー(桜花賞2着)。デビュー戦の札幌1800mは1分54秒9で2着。二戦目は時計を1分51秒3に更新、12秒2-11秒9-11秒9(3Fは36秒0)という上がりを35秒7で加速。422キロと小柄だが、二枚腰が使える。父系のステイゴールドに似た、クラシックロードの意外な穴馬――おもしろいマラソンランナーになるかもしれないと、7月20日の“POG手帳”に記した。

 自分のその原稿など読み直し、そうだよな。ちょっと待てよ。もしかしてもしかして――木曜の夜、予想などアレコレ考え直してみたが、結局△しか打てなかったかぁ…。

 なんて、1レースの未勝利2000mは、レコード決着。しかし昼過ぎから土砂降り。8Rの古馬1勝クラスの2000m戦の勝ち時計は2分3秒6。発表は稍重だが、ほぼ重と考えていいくらいの芝コンディションに変わってしまった。

 ゴールドシップというか。同じSS系でもステイゴールド系は、ディープインパクトにないものを「持っている」。時に天の恵みが空から降ってくる強運血統なんですね。

 1番人気のゴルコンダは、ゲート前で目が白黒、発馬で後手(蹄鉄がずれたらしい)。ダーリントンホールは内目を窮屈そうに走っている。

 前はガチャガチャ、1000m通過は60秒5のハイペース。レース上がりは12秒5-12秒3-12秒5(3Fは37秒3)、まさにステイ系のパワー決着。2着にサトノゴールドを引き連れワンツーフィニッシュ。

 来年の皐月賞は、ダービーは、雨よ降れ。今からテルテル坊主をさかさまにつるす人などいるが、古馬となり、オールカマー、AJCC、そして宝塚記念など。曇天と2200m重賞がお似合いの馬です。【評価B/適性・芝2200m】

マイネルグリット(牡・スクリーンヒーロー×マイネショコラーデ)


■9月1日(日):小倉11R・小倉2歳S(GIII)/芝1200m/1分10秒5

 新馬戦は中京マイル、重馬場を完勝。小倉1200mもフェニックス賞で学習済み。祖母は小倉2歳Sの覇者と、小倉2歳S優勝のカードがズラリ。

 キャリアの浅い1勝馬がほとんど。渋った馬場に、みんなおどおど。怖いとみんな我さきにと走る。前半3Fは33秒7のHペースで展開、先行勢のアゴが上がったところで逆に、本馬はグリップ力アップ。トリプルエースの猛追を2着にハネのけた。

 6〜7Fオープンは、いくつ勝てるだろう。前にも書いたが、ダートもいけるかも。【評価C/適性・芝・ダート1200〜1400m】

ミヤマザクラ(牝・ディープインパクト×ミスパスカリ)


■8月31日(土):札幌1R・未勝利/芝2000m/2分2秒1

 2歳早期の牧場時代は、少し線が細く幅が薄く感じていたが、全兄にマウントロブソンやポポカテペトル。近親クロフネの因子も継ぐ芦毛。胸前の造りや張りは、なるほど血統馬のたたずまい。

 デビュー戦はソロリと様子見の感じの造り。競馬を教えながらの4着に敗れたが、ひと叩きしてプラス4キロの452キロ。1000m通過・1分0秒7のミドルペースを中団前め。勝負どころで窮屈になってしまった初陣を顧み、大事に外目を回し、4角では先行勢を射程圏。

 ギアが入ると一段身体が沈み、上がり3F・12秒5-11秒7-11秒6というレースの上がりを(3Fは35秒8)、35秒3の加速ラップを描き、2着を5馬身とチギる独走。サンプル数は少ないながらも、2分2秒1という走破タイムは従来の記録を2秒1短縮するレコードだ。

 桜花賞ロード、マイル短縮、ローテーションなど悩ましいが、来春の最終目標はオークス。母は去年逝去。遠い将来になるが、母となり、一族の血を伝えてほしいもんです。【評価A/適性・芝2000m】

ミッキーメテオ(牡・ルーラーシップ×メテオーリカ)


■8月31日(土):新潟5R・新馬/芝1800m/1分49秒2

 セレクトセール出身(6480万円)。478キロのスラリとしたルーラシップ産駒。馬体は艶々、中内田厩舎の馬たちは、みんなよく手が行き届き、磨き込んでいるなぁ…。

 調教でも併せるとしぶとい。ルーラー産駒の特性を、跨ってすぐ、鞍上もつかんだのだろう。62秒1という緩ペースを二番手。上がり3F・推定11秒5-10秒7-12秒4でまとめ、時計は1分49秒2。週中は雨、最終週だけに、ラスト1Fは12秒4を要したが、気性は素直。細身に映るわりに、相手なりに走る体力がある。【評価C/適性・1800m】

パドゥヴァルス(牝・エピファネイア×アンレール)


■8月31日(土):小倉5R・新馬/芝1200m/1分9秒4

 母は芝1800mで3勝、母父はディープインパクト。432キロと小柄だが、父譲りのファイター。上がり重点ながら、CWで12秒1、坂路も12秒3と切れ味を感じさせる動きを披露していた。

 最終週は良発表でも荒れ馬場。コース取りも含め、軽さよりはタフさを求められる難しい芝になったが、前半3Fは34秒0-後半3Fは35秒4(走破時計は1分9秒4)。1F延長も歓迎。【評価C/適性・芝1200m】

マルターズディオサ(牝・キズナ×トップオブドーラ)


■8月31日(土):新潟1R・未勝利/芝1600m/1分34秒3

 母トップオブドーラは、5Fダートで3勝。半兄アルタイル(父カネヒキリ)は、ユニコーンS3着に食い込んだ栗毛。父がキズナにかわり、手先の軽い青鹿毛のマイラーに変身。デビュー戦は後の新潟2歳Sの覇者ウーマンズハートの、信じられない末脚に屈したが、自身の上がりは33秒3。単純に相手が悪かった。

 コースも二戦目、今日はスローのポケット。田辺Jお得意のイン突き、時計は1分34秒3。中央の坂をどう超えるか。課題は残すものの、7F前後、平坦番組を丁寧に選べば、2勝目も遠くない。【評価D/適性・芝1400m】

ヴェルトライゼンデ(牡・ドリームジャーニー×マンデラ)


■9月1日(日):小倉5R・新馬/芝1800m/1分51秒6

 半兄ワールドエース(父ディープインパクト)は、きさらぎ賞優勝、皐月賞2着。同じ父をもつワールドプレミアは京都2歳S3着。父がドリームジャーニーにかわり、兄たちとは少しシルエットが異なり、気力旺盛な黒鹿毛の誕生。

 1歳時に牧場でみたときは、きれいな馬だなという印象でしたが、デビューともなれば筋肉や体力もつき、少し太りすぎくらい。道悪、前半1000m通過・62秒3というペースにも、前掛かりで雁行状態の2番手あたり。バフバフと鼻息でも聞こえるかのような手ごたえで直線先頭。手前などかえなくとも平気、12秒4-12秒3-12秒2と漸次加速しながらゴールイン。止めるのに苦労するほど余勢もあった。

 時計は重馬場で1分51秒6。うーん。これは評価が難しい。ただ削ればいろんな何かが出てきそうな、最終的には宝塚記念などに合いそうなホームランバッター。【評価D/適性・芝2200m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年9月2日(月)

【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は夏競馬の締めくくりとともに行われた2歳重賞を中心に計7レースをプレイバック。なかでも札幌2歳Sは、以前当コラムでも取り上げたゴールドシップ産駒のブラックホールが優勝。ディープ産駒にはない“なにか”があると唸る丹下氏が、ステイゴールドから受け継がれた血脈の奥深さまで語ります!(※評価はS〜Eの6段階)

ブラックホール(牡・ゴールドシップ×ヴィーヴァブーケ)


■8月31日(土):札幌11R・札幌2歳S(GIII)/芝1800m/1分50秒4

 あけてびっくり。ステイゴールドの血脈、恐るべし。

 祖母はブルーリッジリバー(桜花賞2着)。デビュー戦の札幌1800mは1分54秒9で2着。二戦目は時計を1分51秒3に更新、12秒2-11秒9-11秒9(3Fは36秒0)という上がりを35秒7で加速。422キロと小柄だが、二枚腰が使える。父系のステイゴールドに似た、クラシックロードの意外な穴馬――おもしろいマラソンランナーになるかもしれないと、7月20日の“POG手帳”に記した。

 自分のその原稿など読み直し、そうだよな。ちょっと待てよ。もしかしてもしかして――木曜の夜、予想などアレコレ考え直してみたが、結局△しか打てなかったかぁ…。

 なんて、1レースの未勝利2000mは、レコード決着。しかし昼過ぎから土砂降り。8Rの古馬1勝クラスの2000m戦の勝ち時計は2分3秒6。発表は稍重だが、ほぼ重と考えていいくらいの芝コンディションに変わってしまった。

 ゴールドシップというか。同じSS系でもステイゴールド系は、ディープインパクトにないものを「持っている」。時に天の恵みが空から降ってくる強運血統なんですね。

 1番人気のゴルコンダは、ゲート前で目が白黒、発馬で後手(蹄鉄がずれたらしい)。ダーリントンホールは内目を窮屈そうに走っている。

 前はガチャガチャ、1000m通過は60秒5のハイペース。レース上がりは12秒5-12秒3-12秒5(3Fは37秒3)、まさにステイ系のパワー決着。2着にサトノゴールドを引き連れワンツーフィニッシュ。

 来年の皐月賞は、ダービーは、雨よ降れ。今からテルテル坊主をさかさまにつるす人などいるが、古馬となり、オールカマー、AJCC、そして宝塚記念など。曇天と2200m重賞がお似合いの馬です。【評価B/適性・芝2200m】

マイネルグリット(牡・スクリーンヒーロー×マイネショコラーデ)


■9月1日(日):小倉11R・小倉2歳S(GIII)/芝1200m/1分10秒5

 新馬戦は中京マイル、重馬場を完勝。小倉1200mもフェニックス賞で学習済み。祖母は小倉2歳Sの覇者と、小倉2歳S優勝のカードがズラリ。

 キャリアの浅い1勝馬がほとんど。渋った馬場に、みんなおどおど。怖いとみんな我さきにと走る。前半3Fは33秒7のHペースで展開、先行勢のアゴが上がったところで逆に、本馬はグリップ力アップ。トリプルエースの猛追を2着にハネのけた。

 6〜7Fオープンは、いくつ勝てるだろう。前にも書いたが、ダートもいけるかも。【評価C/適性・芝・ダート1200〜1400m】

ミヤマザクラ(牝・ディープインパクト×ミスパスカリ)


■8月31日(土):札幌1R・未勝利/芝2000m/2分2秒1

 2歳早期の牧場時代は、少し線が細く幅が薄く感じていたが、全兄にマウントロブソンやポポカテペトル。近親クロフネの因子も継ぐ芦毛。胸前の造りや張りは、なるほど血統馬のたたずまい。

 デビュー戦はソロリと様子見の感じの造り。競馬を教えながらの4着に敗れたが、ひと叩きしてプラス4キロの452キロ。1000m通過・1分0秒7のミドルペースを中団前め。勝負どころで窮屈になってしまった初陣を顧み、大事に外目を回し、4角では先行勢を射程圏。

 ギアが入ると一段身体が沈み、上がり3F・12秒5-11秒7-11秒6というレースの上がりを(3Fは35秒8)、35秒3の加速ラップを描き、2着を5馬身とチギる独走。サンプル数は少ないながらも、2分2秒1という走破タイムは従来の記録を2秒1短縮するレコードだ。

 桜花賞ロード、マイル短縮、ローテーションなど悩ましいが、来春の最終目標はオークス。母は去年逝去。遠い将来になるが、母となり、一族の血を伝えてほしいもんです。【評価A/適性・芝2000m】

ミッキーメテオ(牡・ルーラーシップ×メテオーリカ)


■8月31日(土):新潟5R・新馬/芝1800m/1分49秒2

 セレクトセール出身(6480万円)。478キロのスラリとしたルーラシップ産駒。馬体は艶々、中内田厩舎の馬たちは、みんなよく手が行き届き、磨き込んでいるなぁ…。

 調教でも併せるとしぶとい。ルーラー産駒の特性を、跨ってすぐ、鞍上もつかんだのだろう。62秒1という緩ペースを二番手。上がり3F・推定11秒5-10秒7-12秒4でまとめ、時計は1分49秒2。週中は雨、最終週だけに、ラスト1Fは12秒4を要したが、気性は素直。細身に映るわりに、相手なりに走る体力がある。【評価C/適性・1800m】

パドゥヴァルス(牝・エピファネイア×アンレール)


■8月31日(土):小倉5R・新馬/芝1200m/1分9秒4

 母は芝1800mで3勝、母父はディープインパクト。432キロと小柄だが、父譲りのファイター。上がり重点ながら、CWで12秒1、坂路も12秒3と切れ味を感じさせる動きを披露していた。

 最終週は良発表でも荒れ馬場。コース取りも含め、軽さよりはタフさを求められる難しい芝になったが、前半3Fは34秒0-後半3Fは35秒4(走破時計は1分9秒4)。1F延長も歓迎。【評価C/適性・芝1200m】

マルターズディオサ(牝・キズナ×トップオブドーラ)


■8月31日(土):新潟1R・未勝利/芝1600m/1分34秒3

 母トップオブドーラは、5Fダートで3勝。半兄アルタイル(父カネヒキリ)は、ユニコーンS3着に食い込んだ栗毛。父がキズナにかわり、手先の軽い青鹿毛のマイラーに変身。デビュー戦は後の新潟2歳Sの覇者ウーマンズハートの、信じられない末脚に屈したが、自身の上がりは33秒3。単純に相手が悪かった。

 コースも二戦目、今日はスローのポケット。田辺Jお得意のイン突き、時計は1分34秒3。中央の坂をどう超えるか。課題は残すものの、7F前後、平坦番組を丁寧に選べば、2勝目も遠くない。【評価D/適性・芝1400m】

ヴェルトライゼンデ(牡・ドリームジャーニー×マンデラ)


■9月1日(日):小倉5R・新馬/芝1800m/1分51秒6

 半兄ワールドエース(父ディープインパクト)は、きさらぎ賞優勝、皐月賞2着。同じ父をもつワールドプレミアは京都2歳S3着。父がドリームジャーニーにかわり、兄たちとは少しシルエットが異なり、気力旺盛な黒鹿毛の誕生。

 1歳時に牧場でみたときは、きれいな馬だなという印象でしたが、デビューともなれば筋肉や体力もつき、少し太りすぎくらい。道悪、前半1000m通過・62秒3というペースにも、前掛かりで雁行状態の2番手あたり。バフバフと鼻息でも聞こえるかのような手ごたえで直線先頭。手前などかえなくとも平気、12秒4-12秒3-12秒2と漸次加速しながらゴールイン。止めるのに苦労するほど余勢もあった。

 時計は重馬場で1分51秒6。うーん。これは評価が難しい。ただ削ればいろんな何かが出てきそうな、最終的には宝塚記念などに合いそうなホームランバッター。【評価D/適性・芝2200m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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